地方の中小零細企業にとっての健康経営の第一歩

健康経営アドバイザーの稲葉です。

前回までの記事では健康経営のメリット、デメリットを取り上げてみました。

メリットとデメリットはまずは理解できても、「じゃあ明日から何をすればいいのか」はなかなかわかりませんよね。今回は実務的な面を取り上げていきます。

1.健康経営もPDCAサイクル

STEP1 「健康宣言」を実施

健康経営を経営理念の中に明文化し、企業として取り組む姿勢を社内外に発信します。中小規模事業者の方は、協会けんぽ等の医療保険者が実施する「健康宣言」事業に参加するのが良いです。

STEP2 実施できる環境を整える

経営層全体で取り組みの必要性を共有したり、担当者・担当部署を設置するなど、取り組みやすい体制をつくります。

STEP3 具体的な対策を立案する

自社の 健康課題を見つけ出し、目標を設定した上で施策を実行します。

STEP4 取り組みを評価する

施策の効果を経営層を含めて確認し、現状の取り組みの評価を次の取り組みに生かしていきます。

このように、健康経営を進めていくマネジメントはおなじみのPDCAサイクルを回していくイメージです。

2.そもそも「健康宣言」って何?

経営者が、従業員やその家族の健康管理を経営課題として認識し、組織として対策に取り組む旨を文書等への明文化を通じて意思表示することです。

加入する保険者などの宣言事業に参加することで、健康づくり支援策等に応じたさまざまなサポートが受けられます。

※具体的な宣言方法は、協会けんぽ都道府県支部、健保連都道府県連合会等、保険者のHPを見てみてみるか、担当者に聞いてみてください。

3.結局は経営者(ボードメンバー)の覚悟

上記のSTEPをまずが着実に踏んでいくことが重要ですが何よりも経営者の「健康経営をやっていくぞ」という覚悟が大事です。特にSTEP2にある環境整備は経営者の覚悟なくして整備はできません。

健康経営を担当するスタッフがいる会社は特に経営者の後ろ盾無くして進めていくことはとても困難です。

健康経営は長期的には利益を生み出す経営行為であり、中小企業にとって最も大切な「人財」を活かしきるマネジメントの一つです。

また、自社スタッフが生き生きと働き、QOLを高めていくきっかけになるものです。

実際の導入は困難を伴いますが困難の先に自社の未来が待っていると思います。